みなさん
先日の最首塾には大変多くの方にお集まりいただきました。
その場でも申しましたが、6月は第二土曜日(9日)におこないます。
くれぐれもお間違いのないようにお気を付けください。
本年10月の日本倫理学会で、最首悟さん、黒住真さん(東大駒場/日本思想史)、今村純子さん、丹波の四名で「科学技術文明史と倫理」というワークショップをすることになったのですが、その「顔合わせ」を6月9日(土)にしようとなったわけです。
現代倫理学研究会自体は二部構成になっており、最首塾定例会という意味では第二部がそれにあたります。そこでは今村さんと丹波が話題提供をいたします。ただし、第一部ではケアをめぐる倫理の問題が議論されますので、それも興味深いです。
今村さんのお話は、「〈欲望の転倒した体制〉をどう立て直せるのか?」、「科学技術文明と〈善への欲望〉」といったテーマになります。丹波は「穴をうがつ ゾーン論素描」といったテーマでお話しいたします。
以上の通り、形式がいつもの定例会とは若干異なりますが(しかも参加費は無料!)、毎度の通り、ご参加大大大歓迎ですので、よろしくお願い申し上げます。
丹波博紀
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2012年6月最首塾定例会 ワークショップ「科学技術文明史と倫理」(顔合わせ)
(現代倫理学研究会とジョイント)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○日時:2012年6月9日(土) 14時から19時まで
○場所:専修大学神田校舎 7号館・8階782教室
○参加費:なし
○報告: ★第一部 報告
宮内寿子 「ケアの倫理の陥穽」(仮題)
★ 第二部 セッション「科学技術文明史と倫理」 (最首塾6月定例会) 報告者:
↑ ↑ ↑
話題提供するのは今村さんと丹波です
~~~~~~以下、ワークショップ趣旨文~~~~~~
|
科学技術文明社会という言い方がある。科学技術と社会政治文化が相補相乗的に形成するシステムの在り様を示す。このシステムは、石炭から石油、そして原子力に至るエネルギー所有の変遷と共にあるが、その一大特徴としては「最終目的がない」ことが挙げられるかもしれない。レイチェル・カーソンは、このことを踏み車にたとえ、一度踏み始めると止めたらどうなるかこわくて止められないと指摘した。
踏み車を踏み続けざるをえない現代の私たちは、その受動性ゆえに、自らを「第三者」と見なそうとする。強いて言えば「良心の立入禁止区域」(ギュンター・アンデルス)を設けようとする。だが、その「立入禁止区域」は今、少しずつ浸食される状態にあるのかもしれない。やましさや居心地悪さが強まり、「第三者はない」(宇井純)のだと、私たちを疼かせ始めてはいないか。
踏み車を踏み続けざるをえない現代の私たちは、その受動性ゆえに、自らを「第三者」と見なそうとする。強いて言えば「良心の立入禁止区域」(ギュンター・アンデルス)を設けようとする。だが、その「立入禁止区域」は今、少しずつ浸食される状態にあるのかもしれない。やましさや居心地悪さが強まり、「第三者はない」(宇井純)のだと、私たちを疼かせ始めてはいないか。