最首塾のおしらせ

最首塾関連の最新情報のお知らせをします。最首塾は最首悟さんを囲んで原則月一度開かれる勉強会です。

7/20(金)、叛軍№4、アップリンクにて上映!!(最首さんトーク付)

現在渋谷のアップリンクで「知られざる前衛作家 岩佐寿弥 銀幕革命1969-1976」がやられております。
 
その中で昨年末の100回記念で観た「叛軍№4」も上映されます。
明日18:40からの回でも上映されるのですが、上映後のトークショーに最首さんが出られます。岩佐監督とのお話しになります。
 
 

新作『オロ』劇場公開記念
特集・知られざる前衛作家・岩佐寿弥
-The unknown avant-garde director-
「銀幕革命1969~1976」


「革命の映画」を作るのではなく、「映画の革命」に挑んだ男がいた。

岩佐寿弥のドキュメンタリ-は恐ろしい。

ねじ式映画 私は女優?』『叛軍 N0.4』を見たときのことは今も覚えている。記録にしか見えないこの映像が、役者が演じる芝居であることが劇中で明かされる、あの衝撃。だが、ここには劇を用いなければ伝わらない真実があった。最近やっと見ることができた『眠れ蜜』でも改めてそのことを確認した。今もドキュメンタリーの虚実についての議論は尽きないが、そんなことはとうに岩佐監督が証明していたのだ。
僕は監督の作品と向き合う度に恥ずかしい気持ちになる。だから新作『オロ』を見るには覚悟を強いられた。ドキュメンタリーを突きつけられる、そんな予感があった。だが、作品は驚くほどに優しかった。キャメラと遊び、カンフーに興じ、歌い、笑う少年の姿をひたすらに捉える。今の日本に生きる僕たちはそこから多くのことを読み取り、考えることもできるが、映像に映る子どもはただ眩しく、老監督はおおらかだ。
僕にとって岩佐監督のドキュメンタリーはこれからも恐ろしい存在であることは間違いない。だが、監督にとって36年ぶりの劇場公開映画になる『オロ』は限りなくあたたかかった。それが嬉しい。

―映画監督 松江哲明


日時:上映中~7/27(金)
料金:当日一般¥1200/三回券¥3000/学生・シニア・会員¥1000/水曜サービスディ¥1000
トークショー開催!
7/14(土)18:40の回上映後 松江 哲明(映画監督)×岩佐寿弥
7/15(日)18:40の回上映後 高橋 洋(脚本家・映画作家×岩佐寿弥
7/16(月)18:40の回上映後 吉行 和子 (女優) ×岩佐寿弥
7/17(火)18:40の回上映後 和田 周 (『叛軍No.4』主演/俳優・声優)×岩佐寿弥
7/18(水)18:40の回上映後 三宅 流 (映画監督)×岩佐寿弥
7/19(木)18:40の回上映後 小林 達夫(映画監督)×岩佐寿弥
7/20(金)18:40の回上映後 最首 悟 (『叛軍 No.4』製作・出演/元全共闘運動活動家・和光大学名誉教授)×岩佐寿弥
7/21(土)20:45の回上映後 岡田 秀則(国立近代美術館フィルムセンター研究員)×岩佐寿弥
7/22(日)20:45の回上映後 麿 赤兒(舞踏家・俳優)×岩佐寿弥
7/23(月)20:45の回上映後 東良 美季(ライター)×岩佐寿弥
7/25(水)20:45の回上映後 金子 遊(映像作家・脚本家)×岩佐寿弥


上映スケジュール

http://www.uplink.co.jp/x/log/iwasakantoku.jpg

A ねじ式映画 私は女優?(1969年/35mm/パートカラー/100分)
http://www.uplink.co.jp/x/log/nejishiki_main-thumb.png
製作:シネマ・ネサンス
主演:吉田日出子 
出演:清水紘治、佐藤 信ほか
撮影は1968年、政治の季節。東に行けば三里塚闘争があり、西に行けば水俣問題があった。映画仲間の小川紳介三里塚へ、土本典昭水俣へ向かったが、岩佐寿弥は映画をつくる行為そのものを「闘争の現場」にしようとした。撮られる側「主演の吉田日出子と彼女を取り巻く男優」と撮る側「岩佐寿弥」がカメラの前後で闘争する。と同時に映画と観客がスクリーンを介して闘争する。果たして真実はどこにあるのか?
7/14(土) 13:00
7/15(日) 18:40
7/18(水) 13:00
7/19(木) 18:30
7/21(土) 20:45
7/23(月) 13:00
7/24(火) 20:45
7/26(木) 13:00
7/27(金) 20:45

B 叛軍No.4(1972年/16mm/白黒/98分)
http://www.uplink.co.jp/x/log/hangun-thumb.png
製作:「叛軍」製作集団 
撮影:堀田泰寛 
出演:和田 周
「No.4」というからには「No.1~3」がある。「叛軍」シリーズは、当初は反戦自衛官小西誠の裁判経過を収めたアジビラ映画(シネ・トラクト)だった。当然「No.4」も記録映像だと信じる観客を、岩佐寿弥はこの4番目の作品で見事に裏切る。映画は小西誠の講演からはじまるのだが……。反戦自衛官を英雄の座から転落させる、その仕掛けはほんとうに恐ろしい。ホラー・ドキュメンタリ-と言ってもいいかもしれない。

7/14(土) 18:40
7/16(月) 13:00
7/17(火) 18:40
7/19(木) 13:00
7/20(金) 18:40
7/22(日) 13:00
7/23(月) 20:45
7/24(火) 13:00
7/25(水) 20:45
7/27(金) 13:00


C  眠れ蜜(1976年/16mm/パートカラー/100分)
http://www.uplink.co.jp/x/log/nemuremitsu_main-thumb.png
製作:シネマ・ネサンス 
脚本:佐々木幹郎 
撮影:田村正毅
出演:長谷川泰子吉行和子根岸とし江(季衣)、石橋蓮司岸部シロー、和田 周
詩人・佐々木幹郎がシナリオを書いた本作で、岩佐寿弥はフィクションとドキュメンタリ-という映画の既成概念を解体した。全3部に別れたオムニバス映画を、「若」「熟」「老」、3つの世代に属する3人の“女優”がそれぞれ「自分自身」という役柄で演じる。中原中也小林秀雄らとの恋を遍歴した「老」の世代の主役・長谷川泰子の存在感はすごい。女の一生はドラマであり、そのドラマこそが実人生であることがわかる。


7/15(日) 13:00
7/16(月) 18:40
7/17(火) 13:00
7/18(水) 18:40
7/20(金) 13:00
7/21(土) 13:00
7/22(日) 20:45
7/25(水) 13:00
7/26(木) 20:45


1934年奈良県生まれ。映画作家・TVディレクター。1959年岩波映画入社。岩波映画時代の任意の運動体「青の会」メンバーでもあった。1964年フリーランスに。映画作品『ねじ式映画-私は女優?-』(1969年)『叛軍No.4』(1972年)『眠れ蜜』(1976年)『モゥモチェンガ』(2002年)、TV作品「プチト・アナコ-ロダンが愛した旅芸人花子-」など海外取材によるTV作品多数。2005年「あの夏、少年はいた」(川口汐子共著)を出版、この本を原作としたドキュメンタリードラマ「あの夏~60年目の恋文~」(NHK)が2006年放映される。6月30日(土)より、チベットの少年を主人公にした新作『オロ』が渋谷ユーロスペースにて劇場公開される。