最首塾のおしらせ

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溝口行政訴訟、熊本県上告

みなさん
 
毎度夜遅くに失礼いたします。
 
溝口行政訴訟について既にご存知の方も多いかと思いますが、本日熊本県は高裁判決を不服として最高裁に上告しました(以下記事参照)。昨日の記者会見でその旨を蒲島郁夫熊本県知事が発表しておりました。
 
5日(月)の溝口秋生さんとの面談では「長い間ご心労をかけ申し訳ない」と言っておりましたが、その心労を高齢の溝口さんにもう10年続けろというわけです。人のことをなんだと思っているのでしょう。
 
しかも本人には直接、上告の旨を伝えませんでした。
せめてそこくらいは相対(あいたい)であってほしかった。
 
県は「環境省と相談中」(5日)と言い、環境省は「県の判断に任せている」(1日)「まだ県の相談の最中」(7日昼)と言い、終始たらい回しを続けておりました。そして、知事選挙の前日(7日夕)の記者会見で上告を発表。詐術と言わずに何と言いましょうか。
 
ただし、署名については止めるべきではないと思い、7日8日に頂戴しました署名につきましては本日水俣に送りました。今後も意思表明の意味を込めて、ご協力宜しくお願い申し上げます。
 
そして、引き続きのご注視、何卒宜しくお願い申し上げます。
 
丹波博紀
 
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毎日新聞2012年3月8日(木)
 
水俣病:溝口訴訟 県が上告へ 
支援者ら憤り、不信感 知事「重く苦しい決断」 
/熊本
 
 水俣病認定義務づけを巡る「水俣病溝口訴訟」の福岡高裁判決(2月27日)を不服として、県が最高裁に上告を決めた。蒲島郁夫知事は記者会見で「今回の判断は悩みに悩んだ末の、とても重く苦しい決断だ」と苦渋の決断だったことを強調した。上告の知らせを聞いた原告の溝口秋生さん(80)や支援者らは憤りと県への不信感を募らせた。【結城かほる、勝野俊一郎、西貴晴】
 
 溝口さんや支援者らは水俣市水俣病センター相思社で記者会見した。上告を決めた県に対し「官僚的発想で、水俣病を分かっていない。なぜ被害者を救うことを第一に考えないのか」などと強く批判する意見が続いた。
 会見には溝口さんのほか、提訴前から溝口さんの支援を続けてきたチッソ水俣病患者連盟事務局長の高倉史朗さん(60)や、4度の申請を経て07年に認定を受けた緒方正実さん(54)らが出席した。
 
 溝口さんは上告について「『判決を重く受けとめる』と言った判決後の知事の話は言葉だけだったのか」と批判した。さらに「県の主導で水俣病は本来もっと早く終わっていたはず。(認定されずに)どれだけの人が亡くなったか。我々の命をなんと思っているのか」と憤りを示した。
 
 高倉さんは「上告は、一片の温情もない官僚的発想だ。『最高裁で闘え』と知事は言うが、高齢の溝口さんにとってそれがどんな残酷なことか知ってほしい」と述べた。さらに「高裁判決は民間診断書だけでも認定できると認めた。いま救済を求めている多くの人に判決のこの意義を知ってほしい」と語った。
 
 緒方さんは「上告を聞いて怒りがこみ上げた。被害者は闘うために生まれてきたのではない。蒲島知事に水俣病への理解があれば救うことができたはずだ」と知事を批判した。
 
 上告について県からは溝口さんの弁護士に連絡があったものの、溝口さん本人に連絡はなかったという。